カルシウムイオノフォアは、前述のような受精不良や、精子の運動性の賦活などに使われることが多い試薬です。また、基本的にカルシウムは卵に特異的に働くのではなく、一般にどんな細胞でも分裂する際にカルシウムイオンがその引き金になる役目を担っています。
なので、受精現象ではなく、細胞分裂をサポートする目的で受精時にカルシウムイオノフォアで処理するという理屈かもしれませんね。ただ、受精時に注入したカルシウムがそれから4-5日後まで、果たして細胞内で消費されず働き続けてくれるのか?うーん・・・。この辺は私にも判りません(・_・;)。
なぜ、胚盤胞形成率が低いのに、カルシウムを補うのか?私も知りたいです・・・(;^_^A。
私の私見ですが、途中まで分割が良好なのに、途中で発育が遅れてしまうということは、カルシウムだけの問題ではなく、そもそも精子や卵子が栄養不足なのかもしれません。体外受精を何度かトライされたようですが、卵巣刺激法はその間、色々変更してみました?
卵が栄養不足になる傾向の方は、使う注射の種類によっても、結果が全く異なることも。ご本人の卵巣の機能に合わせた刺激法を行うことによって、卵の質の改善も見込むことができます。また、同様に精子の質に依存して、胚は発育停止する可能性もあるので、精子の質にあまりにも問題がある場合は、男性側もフォローする必要がありますね。
それ以外の理由としてはややシビアですが、遺伝子が働かない可能性。通常、卵子は分割を続け、桑実胚、胚盤胞へと形態を変化させていきますが、それはすべて決まった遺伝子が順番に働いて、これを調節しています。いつも同じところで発育停止してしまうということは、そこから先へ移行するための遺伝子の働きに何か問題があるのでは?と考えますが、そういったことが、ご自身の遺伝子に起因して起こる方はかなり少ないと思うので、一般的には卵子や精子の栄養不足の改善を検討することになりますね。
明確なお返事でもなく、とりとめもなく書いてしまいましたが、とりあえず、先生の提案にご興味があるなら、
●一般的に受精時の卵の賦活に使う方法が、どうして胚盤胞形成率の低い症例に適していると考えるのか?
●試薬の安全性についてどう解釈しているのか?
●施設の臨床実績、特に胚盤胞形成率の低い症例に対して行った実績はどうなのか?
●それ以外に考えうる方法はないのか?
等について確認してみるといいと思います。
安全性に「?」がついている試薬を使うくらいですから、必ず明確な意見をお持ちのはず。逆にちょっと学会で聞いてきて、良さそうだから♪なんて程度の考えの場合には、納得いく返答は得られないでしょうから。
一般的な方法ではないことをトライされるのですからそのぐらい慎重になった方がいいでしょう。その上で先生が信用できるようなら、トライしてみてはいかがでしょうか?
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