カルシウム何とかっていうと、やっぱり心当たりとしてはカルシウムイオノフォアですかねー(・_・?)・・・
体外受精でカルシウムが必要になる場面というと、主に受精です。
卵が受精する際に、精子が卵に入っていくと、その刺激で卵細胞の中のカルシウム濃度が、周期的に上昇(カルシウムオシレーション)します。この刺激を受けて卵子は、自分が受精したぞo(^o^○!って感知して、細胞に過ぎなかったタマゴが、ヒトになるべくスタートを切るような感じです。
これを卵の賦活といいます。
通常は精子1個で十分な刺激を起こすことができますが、へなちょこ精子(@_@)だと、この刺激を十分に起こすことができず、受精を成立させることができません。
これを補うための発想として、外からカルシウム補っちゃえば?って考えた人がいて、その際に使われる試薬がカルシウムイオノフォアです。理論的には納得できる話ですし、実際行っているところもあるようですが、安全性という面では「(・_・?)?」ということになっています。特に大きな問題が起きてないので、OKだとするところもあれば、問題が起きていなくても安全性が確立されない以上、用いるべきではないとする意見もあり、こういった試薬を用いる方法はいつも賛否両論になります。学会では、大抵後者の意見を採用することがほとんどです。まあ、大なり小なり、体外受精自体も最終的には同様の議論へとつながる技術ではあるのですが、自然の現象を再現するのと、ある試薬を使って無理にその状況を作り出すのではやや意義に差がありますね。
個人的な見解では、カルシウムイオノフォア自体に細胞毒性があるので、どんなに低濃度でも使用したくないなぁというのが本音ですね。実際に顕微授精では受精しない方が来院された場合は、検討するかもしれませんが・・・。
そういった試薬を使う方法よりも、とりあえずご主人にホルモン剤を投与する(精子の質を向上させる)方が現実的です。
ちなみに、顕微授精で全く受精しなかった場合でも、その次の顕微授精でも同様に受精しない可能性は約37%といわれています(TESE;精巣精子の顕微授精を除きます)。つまり残りの約6割が、条件が異なれば受精する可能性があるということ。1回目で受精しないからといって、もの凄く悲観的な状況ではないということですね(^◇^)。