----------------------------------------------------
体外受精の卵巣刺激の仕方は大きく分けて2通り。
GnRHアゴニストを使ってホルモンを止める方法と、ホルモンを止めないで、必要に応じて
アンタゴニストを使う方法です。
今回は
アゴニスト周期について説明します。
アゴニスト周期は、スプレキュア・ブセレキュア・ナサニールなどの
GnRHアゴニストといわれる薬で、予め自分のホルモンが出ないように止めてから、外からの注射だけで育てる方法です。
GnRHアゴニストは脳下垂体を刺激する薬で、点鼻薬と注射がありますが、体外受精では点鼻薬が一般的です。
プシュっと1、2回だけ使うと脳下垂体が刺激されて、そこからFSH(卵胞を育てるホルモン)とLH(排卵を促すホルモン)がどぉ〜んw(*゜o゜*)wと出ます(フレアアップといいます)。でも、1日3回も定期的に毎日ず〜っと使ってると、そのうち脳下垂体が
アゴニストの刺激を無視するようになって、最終的にはFSHとLHが一時的に出なくなります。自力でホルモンが出てこない状況なので、卵胞を育てるためにFSHやhMGの注射が毎日必要になります。
アゴニスト周期は薬の使用期間によって、Long法とShort法に分けられます。
Long法は、体外受精の1周期前の排卵中期から
アゴニストをスタートし、採卵2日前まで使用します。注射の開始は月経2-3日目からスタートする施設が多いようです。注射の途中で診察を行って、卵胞が十分な大きさに育ったら、最後に卵胞を成熟させるためにhCGという注射を採卵の36時間前に投与します。
また、Long法は採卵日を予め決定して、予定に合わせて採卵日を設定(固定日採卵法)することもできます。これは経験上、どの方も注射の日数がだいたい約7日間前後であることを利用して、採卵の希望日に合わせて逆算して注射のスケジュールを立てる方法です。通常のLong法よりも長期に
アゴニストを使うことになるので、ウルトラLong法と言われています。
固定日採卵法は7daysスケジュールと言って、ずずっと大昔に、元々CMポートのA先生が思いついた方法です。東邦では以前はこの方法が主流でしたが、今は症例によって刺激法を選択してるようです。昔は1回の注射でhMGを300単位も打つのが普通でしたが、今はそんなに高用量の注射を打たないので、注射の必要日数がもう少し長くなります。幸町では予め何日間の注射が必要かを予測して、人によって8-10日間のスケジュールを組んでいます。
幸町では、
アゴニスト周期の場合はウルトラLong法による固定日採卵法を選択します。
アゴニストは長めに使った方がしっかりホルモンを止めることができます。同時に卵巣の地ならしをしっかりすることによって、複数個の質の揃った良好な卵を採卵することができるため、
アゴニスト周期の中で、最も体外受精の結果が安定しています。またお仕事をされている患者さんでも治療が組みやすいというメリットもあります。
ただ
アゴニストを長期に使うことで、影響が出る方には向いていません。
つまり、卵巣機能が低下している場合は、卵の質や数の低下、発育状況が悪いなどの影響がでます。逆にPCOなど卵巣の反応性が過剰な場合は、もの凄くたくさんの卵胞が育ってしまい、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の危険性が高くなったり、数が多くてもそれぞれの卵の質が低下したりということがあります。
Short法は、体外受精周期の月経開始2-3日目から、
アゴニストも注射も同じ頃からスタートする方法です。注射の途中で診察を行うことや、hCGを打つタイミングはLong法と同じです。
また、
アゴニストが使用開始時に
フレアアップを起こして、どぉ〜んとFSHとLHが出ることを利用して、月経初期に自分のFSHが多く出てくることが卵胞発育に有効と考えられています。
Short法は
アゴニストの使用期間が短く、
フレアアップによる自分のホルモンも利用できるので、Long法では
アゴニストによる影響を強く受ける方に適していると言われています。Short法でさらに
アゴニストの使用期間が短い場合はウルトラShort法といいます(←ここまでくるとややこしいだけ(-_-))。
ちなみに、幸町ではShort法は選択しません。
フレアアップのような利点もありますが、
アゴニストの使用期間が短いと、しっかりホルモンが止まらずに、途中でLHが出てしまって卵の質が悪くなってしまうこともあり、不安定な周期です。卵巣機能が低下している場合は、卵巣刺激にも当然工夫が必要なので、幸町では
アンタゴニスト周期を選択します。
基本的には、
アゴニスト周期が向いているのかどうか?この見極めをするのが大事です。
例えば、幸町では40歳以上の方に、治療戦略上必要でない限り、Long法はまず選択しません。
アゴニストは元々、子宮内膜症や筋腫の症状緩和を狙う薬ですが、
閉経逃げ込み療法なんていうのもあるくらいなので、卵巣機能低下によって閉経に近い方の場合、そのまま閉経に近づいてしまう・・・Σ( ̄□ ̄|||なんてことだってありえます。怖くてそんな周期、選択できません(;^_^A。
アゴニスト周期でも卵巣機能が良好であれば、40歳以上でも閉経(>_<)!なんてことにはなりませんが、年齢要素による基本的な卵の質の低下は避けられないので、色々なカスタマイズができる
アンタゴニスト周期がBetterかなぁと思っています。
次回は
アンタゴニスト周期について、説明します(^-^)/~~。
テーマ:不妊 - ジャンル:結婚・家庭生活