前回までは、PCOのクセ(軽い刺激では卵胞は育たないのに、少し注射を足したらとたんにたくさん育ってしまう)についてお話しました。
一般不妊治療(タイミング法や人工授精)を目的とする場合、1-2個の排卵に上手くコントロールしないと多胎妊娠の可能性が高くなるため、治療が仕切り直しになってしまうこともあります。
シビアな方は一度も周期が組めない方もいます。
こういう方の場合、体外受精では元々複数個の卵を採取することを目的にしているので、卵胞を1-2個に調節する必要がなく、胚移植の個数を調節することで多胎妊娠は回避できます。
この点が、これまで仕切り直しなどで治療が思うように進められなかった方に体外受精を勧める理由です。
その一方で、卵巣のコントロールが非常に難しいことに起因する問題点もあります。
1つは卵胞の数のコントロールが難しいこと。
元々卵胞がたくさん育ちやすいということは、体外受精でも同じように、もしくはそれ以上の卵胞が育つということです。
一般治療では1-2個の卵を排卵させるために、少なくしようとコントロールしたのに、それでも多く育っちゃった・・・(>_<)という感じですが、体外受精の場合は、できるだけ多く卵を育てるつもりで注射を打つことが多いですから、卵巣が過剰反応するPCOの方は普通の方の2-3倍(20-30個)の卵胞が育ってくることがあります。
そうなると、卵巣過剰刺激症候群(OHSS;卵巣が腫れたり、腹水・胸水などが溜まったり、重篤な場合は脳や肺の血栓症、腎不全を引き起こす可能性のある症状)になる可能性が高いため、採卵を中止する場合や胚移植を中止する場合など、体外受精が最後まで完遂出来ないこともあります。
もう1つは、卵の質の問題。
全体的にOHSSを起こしやすい卵巣の方は、比較的ホルモン状況が良好な方が多いので、卵子の質も良い場合が多いです。
でも、あまりにもたくさんの卵胞が一度に育ってしまうと、卵胞1個当たりの栄養が足りなくなってしまうために、逆に卵の質が悪くなることもあります。
そうするとたくさん卵が採れたのに、ほとんどが受精しないとか、受精しても質が悪いので妊娠に結びつかないという場合があります。
こういったクセについて考慮した上で、卵巣の刺激法を検討しますが、それでも卵胞が多く育ってしまい、にっちもさっちもいかない!!っていう本当にシビアな方も稀にいます。
基本的にPCO症例の体外受精は、どこの施設でも苦慮することが多いと思います。
↑だから医師の力量も問われる(^^;)
単一排卵に調節できるような軽いPCOの方は体外受精へ進む前に卒業されますから、体外受精が必要となる方はそれだけシビアな状態の方が多いためなんでしょうね。
シビアなPCOの方が体外受精で妊娠を狙うには、卵胞数のコントロールとOHSS対策、卵子の質についてクリアすることが重要です。
これらが上手くコントロールできれば、元々卵巣の反応性が良好なので、妊娠は難しくないと思います。
>>次回は卵胞の数と卵子の質、OHSS対策について コメントします。
次回でホントに最終予定です〜(^_^;)
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